
ムスリムにとってお祈りは欠かせない習慣です。
彼らの習慣を尊重してサポートすることが、より良いおもてなしにつながります。

ムスリム観光客からの質問によくあるのが、近隣にあるモスクに関する情報提供です。最寄りのモスクの詳細およびアクセスなどを把握し、いつでも紹介できるように心掛けましょう。近隣にモスクがない場合、お祈りのできる清潔な部屋を用意しておくと喜ばれるかもしれません。

礼拝は正しくキブラに向けて行われなければなりませんが、慣れない旅行先で正確に方角を知るのはなかなか困難です。宿泊や商業施設にキブラを示す標識があると便利ですが、それが叶わない場合は、方角を調べるためのキブラコンパスを貸し出すなどの方法もあります。

お祈りはマット(絨毯)を敷き、その上で行われます。マットを旅行先まで持ち歩くムスリムもいますが、貸し出しを希望される場合もあります。マットは、大人が立ったり、うつ伏せたりすることができる大きさであれば十分です。お祈りスペースと共に、貸し出しマットがあることも案内できるとより親切です。

ムスリムは毎日5回の礼拝を行います。礼拝の時間はその場所の日の出と日の入りの時間によって異なります。滞在都市の礼拝時間はインターネットなどで調べることが出来るので、検索先を把握しておくとよいかもしれません。ツアー中に礼拝のために休憩時間を取ってほしいと希望する方もいるので配慮が大切です。

ムスリムは、礼拝の前に手・口・鼻・顔・腕・髪・足を水で清めます。しかし多くの宿泊施設や観光地ではそのための設備やスペースが用意されていません。そのため、やむを得ず洗面台を代用した結果、床を濡らしてしまう場合があります。できる限り彼らの習慣を尊重し、十分な対話をもってきめ細かなサポートをしましょう。
