
旅行における大きな楽しみのひとつは食事です。
しかし、ムスリムは食べ物に関しても細かいルールがあります。
外国から観光客を呼び込む際に、日本の豊かな食文化は大きな魅力です。ただし、相手がムスリムである場合は注意が必要です。実際、「日本への旅行で心配なことは?」と尋ねると、多くのムスリムが「禁忌に触れない食事を摂れるか不安」「日本のレストランがムスリムに対する宗教的配慮をもってくれているか心配」と答えます。このような不安を払しょくすることが、さらに多くのムスリム観光客を迎え入れるにあたっての大きな課題となります。
まず私たちが覚えておくべき言葉として、ハラル(HALAL)とハラム(HARAM)が挙げられます。ハラルとは、アラビア語で「許可された」「容認された」「合法的」という意味です。従って、ハラルフードといった場合、それは「イスラム教の教義にのっとって食べることが許可された食事」という意味になります。一方、ハラムはそれとは逆、つまり「禁じられた」「違法な」という意味を持ちます。例えば、豚肉を使った料理は、ムスリムにとってハラムということになります。
しかしながら、ハラルやハラムについては地域や宗派により解釈が異なります。実際、非ムスリムが解釈を行うこと自体が好ましくないため、事前のコミュニケーションや確認が大変重要です。