
イスラムの戒律は、生活の隅々にまで及んでいます。
大切にしている信仰や生活習慣が旅先で尊重されることは、心に残るおもてなしとして喜んでもらえます。

しばしば聞かれるのが、同性による接客、特にムスリム女性への接客は女性が担当して欲しいという要望です。男性がムスリム女性への接客を行わざるを得ない場合は、部屋で二人きりにならない、あるいはドアを開けておくなどの配慮が必要でしょう。

日本語が分らないムスリムにとって、アルコールかどうかの判断が難しい場合があります。例えば、カクテルなどは見た目ではジュースと区別がつかないものが多くあるので、分かりやすくアルコールであることを明示しましょう。

厳格なムスリムの場合、日本の神社仏閣を忌避することが稀にあります。またギャンブルやみだらな雰囲気を嫌う方もいるので、観光プログラムに配慮しましょう。その他、満員電車での移動などは、他人と体が接触するため注意が必要です。

ホテルの客室には聖書や仏典が置いてある場合がありますが、ムスリムが滞在する場合は事前に取り除いておいた方が望ましいでしょう。ただし、代わりにコーランを置く必要はありません。非ムスリムがコーランを手にすることを嫌うムスリムもいます。