マンダレー

旅のヒント

正方形をした旧王宮を中心に碁盤の目状に道が整備され、整然とした街並みが広がるマンダレー。最後の王都が置かれ、現在もミャンマー第2の規模を誇る大都市となっています。観光のハイライトとなるのは1辺が3キロメートルほどの広大な旧王宮と街の北側に位置するマンダレーヒルで、ここに見どころが多く集まっています。サイカーなどを利用して市内を移動するといいでしょう。
マンダレーヒル

南側の入り口を巨大な2頭の獅子が守り、荘厳な雰囲気が漂うマンダレーヒル。山全体が聖地となっています。山頂部にはマンダレー最古の仏塔があり、そのテラスからは広大な旧王宮や市街を一望することができます。山頂部へは、途中まで車で行ってエスカレーターやエレベーターを利用するか、南側入り口から屋根のある階段の参道を歩くかを選ぶことができます。参道を歩けば、茶店やみやげ物店、踊り場ごとに置かれた仏塔なども見られるでしょう。
チャウットージー・パゴダ
マンダレーヒルの南麓にあります。マンダレーに王都を築いたコンバイン王朝のミンドン王が19世紀中頃に建てました。ミンドン王はマンダレーにいくつものパゴダや寺院を建立したことで知られていますが、ここはその代表格ともいえる寺院です。本堂に鎮座する大きな仏像は、30キロメートルほど北側のサジン山から切り出した大理石で作られていて、白い肌をしているのが特徴。1865年の開眼時には2万人もの僧侶と兵士が動員されたといわれています。
クトードー・パゴダ

729もの美しい白亜の仏塔が並び立つ寺院が、マンダレーヒル東側にあります。ミャンマーの仏塔は金箔で覆われたものが中心となっていますが、マンダレー一帯は純白のものが多いのが特徴。なかでも、マンダレーヒル山頂から市街を眺めたとき、ひときわ白く輝いて見えるのがこのパゴダでしょう。仏塔ひとつひとつには経典を刻んだ石版が収められています。
サンダムニ・パゴダ

マンダレーに都を置いたミンドン王が、王宮が完成するまでの仮住まいとした場所。境内を埋め尽くさんとばかりに1774もの小さな仏塔が直線状に並んでいて、見る者を圧倒します。クトードー・パゴダの西側に隣接しています。
シュエナンドー僧院

かつては王宮の中にあり、ミンドン王や第一夫人もたびたび足を運んだという僧院。ミャンマーでは僧院は木造のものが一般的ですが、コンバウン朝時代などの古いもので現存しているものはごくわずかです。歴史的にも貴重な木造建築としてぜひ見ておきましょう。日本の仏教建築にも彫刻は欠かせないものですが、この僧院は外壁や内壁にいたるまで細かな彫刻が施されていて目を見張ります。王朝時代の優れた木彫技術を存分に感じさせてくれるでしょう。
旧王宮

コンバウン朝の王宮です。ミンドン王によって建造されましたが、そのわずか24年後の1885年、ティーボー王治世時代にマンダレーは英印軍の占領を受け、王はインドのポンペイに幽閉されてしまいます。この事件をもってミャンマーから王朝が消滅したため、ここは最後の王宮となりました。その後、第二次世界大戦で日本軍と英印軍との戦いにより、城壁を除く建物のすべてが焼失。1990年に建物の一部が復元され、外国人にも公開されています。
マハムニ・パゴダ(ヤカイン・パゴダ)

マンダレー最大規模の仏塔で、本尊はマハムニ仏。疾患のある部分をなでると症状が改善するといわれていて、金箔を貼り付けながら仏像をなで、熱心に祈りを捧げる参拝者が集まっています。境内にある獅子や人間などの6体の青銅像はカンボジアのアンコールワットにあったもので、周辺諸国との抗争の結果、この地に移されました。
サガイン

マンダレーから南西へおよそ30キロメートル。14世紀にシャン族の王都が置かれたサガインがあります。かつての遺構は失われましたが仏塔や僧院の建設は続き、特に町郊外のサガインヒルには150以上の白亜の仏塔や寺院が点在。一帯で唯一の橋であるインワ鉄橋から白亜の仏塔が散在する光景を望むことができます。現在この町は、仏教修行の中心地となっています。
アマラプラ

マンダレーの10キロメートルほど南方にあるアマラプラは、マンダレーに遷都する前にコンバウン朝の都があったところ。エーヤワディー川とタウンタマン湖に挟まれていて、王宮跡や1000人前後の僧が修行をする国内最大級のマハーガンダヨン寺院などが見どころとなります。境内の僧院では彼ら見習い僧の食事の様子を見学できるほか、いっせいに並んで托鉢に出る姿もアマラプラらしい風景のひとつとなっています。