ベトナム

1986年に導入されたドイモイ(開放)政策により、新しい社会主義型市場経済を模索するベトナム。近年、目覚ましい経済発展を続けています。首都ハノイやホーチミンでは再開発が進み、世界的な高級ホテルなども相次いで進出。以前にも増して旅行しやすい環境が整っています。こうした大都市に加え、ベトナム中部にある世界遺産の町フエやホイアン、さらにはビーチリゾート開発が進むニャチャンなども人気の旅先といえるでしょう。
国の概要
- 1.国名
- ベトナム社会主義共和国/SOCIALIST REPUBLIC OF VIET NAM
- 2.位置
- 北緯8度33分~22度22分、東経103度27分~109度28分
- 3.面積
- 33万1690平方キロメートル
- 4.人口
- 約8826万人(ASEAN-日本統計ポケットブック2011)
- 5.民族
- キン族(越人)が90パーセント以上を占め、ほか華人やタイ人、クメール人など53の少数民族から構成されています。
- 6.政体
- 社会主義共和制
- 7.首都
- ハノイ
- 8.宗教
- 仏教徒が80パーセント以上。ほかカトリックやカオダイ教徒など。
- 9.言語
- 公用語はベトナム語。都市部などの観光客の多いエリアでは英語が使われています。
- 10.歴史
- 紀元前7世紀頃、ベトナム北部の紅河デルタ地域にドンソン(東山)と呼ばれる青銅器文明の繁栄を経て、ベトナム最古の国家となる文郎国(ヴァンラン)が誕生したと伝えられています。記録も遺構も見つかっていませんが、東南アジア最古の文明、国家と考えられています。その後、紀元前100年頃から紀元938年までのおよそ1000年に及ぶ中国支配を受け、1802年にベトナム最後の王朝であるグエン朝が建国。この時にベトナム(越南)と称するようになりました。1858年、フランスがベトナムを含むインドシナ半島に侵攻。大半が仏領インドシナ連邦となりましたが、ホーチミンではベトナム共産党を結成し、独立運動を展開。第2次世界大戦時は日本軍が侵攻しましたが、終戦時に独立を宣言。しかしフランスはこれを認めず、インドシナ戦争が勃発。1954年のジュネーブ協定でフランスは撤退しましたが、続いてアメリカが介入。南北分裂の時代を迎えます。この内戦は全土に拡大、長期化し、多くの犠牲者を生む結果となりました。1975年に南ベトナムのサイゴン(今のホーチミン)が陥落。翌年、現在のベトナム社会主義共和国が建国されました。その後も近隣諸国との紛争や経済破綻などを経験しましたが、1986年にドイモイ(開放)政策を実施。西側諸国からの資本・技術流入などが可能となり、今に至る経済発展の礎となりました。
