ミャンマー

インド、中国、ラオス、タイと国境を接し、ベンガル湾、アンダマン海に面した広大な国土を持つミャンマー。古来より仏教に深く帰依し、五戒を守って慎ましく暮らす人々の暮らしが息づいてきました。大平原に無数に林立するパゴダを筆頭に、歴史的な建造物もほとんどが宗教関連のもの。肥沃な大地をめぐる激しい戦いの歴史のなかでも常に人々の信仰を集め、今も色あせることなく輝き続けていることに驚かされるでしょう。いくつもの大河、そして海からとれるさまざまな幸を中心としたミャンマー料理も楽しみです。
国の概要
- 1.国名
- ミャンマー連邦共和国/REPUBLIC OF THE UNION OF MYANMAR
- 2.位置
- 北緯9度32分〜28度31分、東経92度10分〜101度11分
- 3.面積
- 67万8500平方キロメートル
- 4.人口
- 約6119万人(ASEAN-日本統計ポケットブック2011)
- 5.人種と民族
- 約70パーセントをビルマ族が占め、残り30パーセントを主要な7つの民族が占めています。細かく分けると135にもなる諸民族の国としても知られています。
- 6.政体
- 大統領制、共和制
- 7.首都
- ネイピードー(旧首都:ヤンゴン)
- 8.宗教
- 国民の約90パーセントを敬虔な仏教徒が占める仏教国です。
- 9.言語
- 公用語はミャンマー語です。英語もかなり通用します。
- 10.歴史
- エーヤーワディー(イラワジ)川流域に形成された肥沃な平原の大地に広がるミャンマー。古来より多様な民族が流入し、複雑な歴史を繰り広げてきました。10世紀以前には、南部にはインドと交易を行ったモン族、北部にはピュー人による国家があったとされています。その後、北方から南下してきたのがチベット・ビルマ語系のビルマ族。11世紀には最初の統一王朝がバガンに築かれ、今のミャンマーの基礎となりました。以後、いくつかの王朝が諸民族との攻防、繁栄、そして滅亡を繰り返していきます。13世紀にモンゴルの侵攻を受けてバガン朝が滅びますが、16世紀にはタウングー朝がバガンを復興。タイやラオスの国家を制して大ビルマ国家を造ります。17世紀にこれも衰亡し、18世紀中頃にコンバウン朝が再びミャンマーを統一します。しかし、イギリス領インドへの侵攻をきっかけに、1824年から3度にわたって英印軍との戦争を経験。結果、王朝は滅亡に追い込まれ、イギリス領インドに併合されてしまいます。第一次世界大戦中に始まったビルマ族による反植民地運動は、第二次世界大戦が始まるとアウンサンら30人の志士を中心とするビルマ独立義勇軍として活発化。日本軍とともに一時ビルマ国を建国しますが、日本軍の敗色が強まるとこれを廃して再びイギリス領に。そして1948年、ついにイギリス連邦を脱退して独立を果たしました。
