観光ガイドベトナム![]() 1986年に導入されたドイモイ(開放)政策により、新しい社会主義型市場経済を模索するベトナム。近年、目覚ましい経済発展を続けています。首都ハノイやホーチミンでは再開発が進み、世界的な高級ホテルなども相次いで進出。以前にも増して旅行しやすい環境が整っています。こうした大都市に加え、ベトナム中部にある世界遺産の町フエやホイアン、さらにはビーチリゾート開発が進むニャチャンなども人気の旅先といえるでしょう。 国の概要
![]() 旅の基本情報
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 現地での出入国手続き
国内交通
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() おもな見所ハノイ![]() 旅のヒント![]() 7世紀頃よりベトナムの中心地として栄えた首都ハノイ。ベトナム政治の中心地であると同時に、近年の経済発展を象徴する近代的な高層ビルの建設が相次いでいます。李朝時代や19世紀のフランス租借地時代の建物が混在し、歴史香る古都らしい風情も漂わせています。中心となるのはホアン・キエム湖で、北側には活気あふれる旧市街が広がり、南側にはしゃれたレストランやギャラリーが集まっています。タイ湖周辺には多くの見どころがあります。 ハノイ旧市街![]() 1009年に李太祖が李朝を樹立し、その翌年に遷都が行われて王都となったハノイ。以後、1802年にグエン朝がフエに都を移すまで繁栄を極めました。当時、通りごとに同じ職種の職人が集められ、その通りが36あったことから、旧市街は「ハノイ36通り」と呼ばれています。現在もさまざまな職人や商人の工房やショップが軒を連ねていて、ベトナムらしい民芸品や工芸品を買うことができます。ベトナム戦争の戦火を免れたことから、古都の風情が残されています。 大劇場![]() フランス租借地時代に建てられた代表的な建築物が、「ハノイのオペラ座」と呼ばれる大劇場。1911年にパリのオペラ座を模して建てられた優雅で風格ある姿は、ハノイ市内でもひときわ異彩を放っています。夜のライトアップされた姿も見ごたえがあるでしょう。一般の旅行者は内部を見学することはできませんが、公演のある日にチケットを購入すれば入場可能です。 歴史博物館![]() ベトナムの4000年に及ぶ歴史を集めたミュージアム。ホアン・キエム湖の南東側にあります。展示物のスタートは先史時代で、ドンソン文明時代の青銅器、安南焼の陶磁器などベトナム史を語る上での貴重な史料が続き、現代に至る変遷を一堂に見ることができます。 ベトナム女性博物館勤勉で忍耐強いといわれ、たくましく生きるベトナムの女性たち。古くから手工芸の分野で見事な才能を発揮してきましたが、この博物館ではこうした女性たちの活躍ぶりを人形や模型を使って紹介しています。ベトナム戦争時には武器を手にして戦ったという悲しい歴史を見ることもできます。 ゴックソン寺![]() ホアン・キエム湖の北側に浮かぶ、風情ある祠。学問の神や武神、13世紀に元の侵攻を撃退した武将チャン・フン・ダオなどが祀られています。ちなみにホアン・キエム湖は「剣を返した湖」という意味。明の支配を受けていた1418年、後にベトナム黎朝の皇帝となるレ・ロイが反乱を起こし、湖の大亀から授かった宝剣で明軍を撃退。戦が終わると、宝剣を湖へ返したという話が伝わっています。 ホーチミン廟![]() 現代ベトナム建国の父であり、「ホーおじさん」の名で国民から慕われているホーチミン主席の霊廟がこちら。ガラスケースに遺体が安置されていて、偉人の姿を見ることができます。ただし、警備はものものしく、バッグやカメラの持ち込みは禁止されています。周辺にはホーチミン博物館やホーチミンの旧居など、氏をしのぶスポットがあります。 一柱寺![]() 1本の石柱で支えられている仏堂があることから、この名で呼ばれています。李朝の王リ・タイ・トンが悲母観音の夢を見た後に世継ぎを授かり、感謝の気持ちで建立したと伝えられています。池に浮かぶような造りの仏堂は、ハスの花をモチーフにした、優雅な建築物です。 美術博物館![]() 1階には仏教美術、2階には絵画や彫刻などの近代アート、3階には少数民族の衣装や工芸品を展示。かつてフランス政府の諜報機関がおかれた建物に、ベトナムの美と工芸が一堂に集められています。仏教美術やドンソン時代の青銅器、チャンパ王国の砂岩彫刻が見ものです。 文廟![]() 李朝時代の1070年に建てられた孔子廟で、多くの優秀な官吏を育成したベトナム初の大学が造られました。15世紀後半から18世紀後半には官吏登用試験の科挙が行われ、1306人の合格者名が石碑に刻まれています。 軍事博物館![]() ベトナムの戦争の歴史や悲惨さを伝え、平和への願いなどを込めた博物館。第一次インドシナ戦争でフランス軍を撤退に追い込む大きな転機となったディエン・ビエン・フーの激戦の模様や、ベトナム戦争終結をもたらした1975年のサイゴン解放の戦いなどが再現されています。ベトナムが受けた苦難の歴史と臨場感ある演出に、戦争の悲惨さが伝わってくるでしょう。屋外には旧ソ連製や中国製、アメリカ製などの兵器が置かれています。 ホアロー収容所![]() フランスによって造られた19世紀の監獄です。ベトナム戦争の際はアメリカ軍の捕虜を収容。そのためアメリカ軍兵士の間では「ハノイ・ヒルトン」と呼ばれていました。収容所だった様子がリアルに再現されています。 クァン・タィン寺![]() 紀元前3世紀頃、王の城塞建設を助け、都に出没する悪霊を退治したという伝説の武神「玄天上帝」。この上帝を祀った道教寺院がタイ湖の湖畔にあります。高さ4メートル、重さ4トンにもなるという上帝の銅像は、ベトナム最大の銅像。ヘビとカメを従えています。 COLUMN タンロン水上人形劇場で伝統芸能を鑑賞![]() ベトナムを代表する伝統芸能のひとつで、北部の農村部の祭から広まったという水上人形劇。ホアン・キエム湖畔の「タンロン水上人形劇場」では、1000年の歴史を持つ人形劇を毎日見ることができます。この人形劇は、人形師が操る人形が水上を動き回るもので、セリフはありませんが、コミカルな動きに国籍を超えて誰でも楽しめるもの。農村での生活や民話を題材にした17の短編が演じられます。 ハノイ近郊![]() 旅のヒント![]() ベトナムを代表する自然と文化が息づくハノイ近郊には、たくさんの見どころが点在しています。その代表格といえるのが、ベトナム陶磁器の故郷であるバッチャンと世界遺産ハロン湾。路線バスなどで自力で行くこともできますが、ハノイ市内の旅行会社が催行している日帰り観光ツアーに参加するのがおすすめです。人気のハロン湾は、滞在してじっくりと楽しむコースもあります。 バッチャン![]() ハノイから車でおよそ30分、ベトナム随一の陶磁器の産地がこちら。ホン川のデルタ地帯に広がる小さな村です。11世紀頃に陶磁器作りが始まったといわれていて、海上貿易が盛んだった15~17世紀に最盛期を迎えました。とはいえ現在でも村内には数千ともいわれる工房があり、染付、赤絵、白磁、青磁などの陶磁器が生産されています。自然をモチーフにした図柄と柔らかな筆遣いが特徴です。 ハロン湾![]() 波風の浸食を受けて形成された奇岩が海上にそそり立つハロン湾。そのダイナミックな風景が中国の桂林にも似ていることから、「海の桂林」と呼ばれる世界遺産です。絶景を存分に楽しむなら、湾内を巡るクルーズへ。船着場に集まるボートをチャーターして4時間ほどをかけて湾内を巡るのが一般的なコースです。途中立ち寄る「天国の宮殿」と呼ばれる鍾乳洞なども必見。海沿いには高級ホテルなどもあり、滞在して絶景を満喫することもできます。 ドンホー村![]() ハノイ市外から北方へおよそ35キロメートル。世界的に高い評価を得ているドンホー版画の故郷です。11世紀に中国から伝わり、その後ベトナム独自のスタイルへと変遷したドンホー版画は、ベトナムの生活、風物詩、風刺などをモチーフにしたユーモラスで温かみある作風が特徴です。ベトナムではおもに正月用の飾りとして長く愛されてきました。自然素材による絵の具を使う工房もまだまだたくさん残っています。 サパ![]() ハノイから北西へおよそ250キロメートル、標高1600メートル以上の高原にある小さな村。フランス統治時代に避暑地として開発され、ホテルなどが何軒か集まっています。このサパが人気を集めるのは、周辺に暮らす少数民族の人々を訪問するため。いくつかの村を訪ね歩くトレッキングツアーが盛んに行われていて、艶やかな民族衣装を身にまとった人々や伝統的な生活スタイルなどを見ることができます。 ホーチミン
![]() 旅のヒント![]() かつて「東洋のパリ」と呼ばれた南部のホーチミンは、経済発展著しいベトナムを象徴する商都。植民地時代の建物と高層ビルが混在し、エネルギッシュな雰囲気に包まれています。市街は1区から11区までに区分されていて、高級ホテルやおしゃれなショップ、レストランは1区に集中。ドン・コイ通りがメインストリートとなります。5キロメートルほど離れた中華街チョロンも必見です。各エリアを移動する際は、タクシーなどを利用しましょう。 統一会堂![]() 1975年にベトナム戦争が終結するまで、南ベトナムの大統領官邸だった建物。大統領の執務室や国賓を迎える応接室など館内には100以上の部屋があり、地下には軍事作戦の司令室も残されています。戦後はドック・ラプ宮殿、トング・ニャット宮殿へと名前を変更。現在、外交行事や式典に使われている時期以外は、一般に公開されています。 戦争証跡博物館![]() ベトナム戦争の悲劇について、世界各国のカメラマンが撮影した戦争写真を通して今に伝える博物館。なかには目を覆いたくなるような悲しい写真もありますが、戦争の真の姿を知る貴重な場所として評価されています。敷地内には戦争で実際に使われた戦車なども置かれています。 中央郵便局![]() ドン・コイ通り近くにある現役の中央郵便局は、19世紀後半に建造されたフレンチスタイルの洋館。市街に点在するコロニアル建築のなかでも、特に荘厳な雰囲気を漂わせています。内部はドーム型の天井から陽が降り注ぐ、明るく開放的な雰囲気です。 サイゴン大教会(聖母マリア教会)![]() ドン・コイ通りの北端にあるロータリーの中心に建つカテドラル。フランス統治時代の19世紀後半に建てられたカトリック教会です。外壁の赤レンガやステンドグラスなどは、すべてフランスから取り寄せたもの。高さ40メートルという2本の尖塔は、古くから市街のランドマークのひとつにもなっています。 ホーチミン人民委員会庁舎![]() 20世紀初めにイタリア・ルネッサンス様式で建てられた、ホーチミンにある植民地時代の洋館を代表する建造物。かつてはシティホールとして使われていただけに、壮大な規模を誇っています。鮮やかな黄色の外観に、「東洋のパリ」と呼ばれていた時代をしのぶことができます。 革命博物館フランス官僚の邸宅として、19世紀後半にネオクラシック様式で建てられたフランス建築物。現在は、不屈の精神でベトナム戦争を粘り強く戦い抜き、やがて勝利を勝ち取ったコミュニストたちの戦いの模様を紹介する博物館になっています。 歴史博物館![]() 古代遺跡の出土品に始まり、19世紀の美術品までを年代順に展示。ベトナムの歴史と、17世紀に北方からベトナム人が流入するまでクメール人が暮らしていたホーチミン周辺などベトナム南部の文化を紹介する博物館です。なかでも仏教文化に関する展示室は必見。アジア各国の仏像が集められ、世界有数の展示数を誇っています。中庭では毎日6回、水上人形劇が行われます。 動植物園![]() ドン・コイ通りから歩いて15分ほどの場所にある動植物園。入り口近くには博物館があり、奥側に動物園があります。ゾウやワニが間近に見られるほかは、さほど珍しい動物が飼育されているわけではありませんが、のんびり過ごすには最適の場所。市民の憩いの場として週末ともなれば多くのファミリーなどでにぎわい、普段着のホーチミンの姿を垣間見せてくれます。 市民劇場![]() 1899年にオペラハウスとして完成した、ドン・コイ通りの中ほどにある市民劇場。一時期はベトナム共和国の国会議事堂として使用されていましたが、1975年の戦争終結後は演劇やコンサートなどが行われる劇場となりました。公演日にチケットを購入すれば、中を見学できます。 チャン・フン・ダオ像![]() かつて元の侵攻を3度にわたって防いだ英雄チャン・フン・ダオの像。サイゴン川沿いのメーリン広場に建つ台座の上から、市街を見守っています。ほかベン・タイン市場の正面にも騎馬像があります。ベトナムの人々が今なお彼の功績をたたえていることが伺えます。 ホーおじさんの記念館![]() 中部ベトナムの貧しい儒学者の子に生まれたホーチミン。1911年、21歳となった彼はベトナム人民の解放と独立を決意し、この場所から船員としてフランスへ旅立ったとされています。サイゴン川畔に建つコロニアル建築の建物では、国内外を舞台にした民族解放運動の業績や革命までの足取りを紹介する資料を展示。2階のバルコニーは、市街やサイゴン川を一望する絶景スポットです。 マリアマン・ヒンドゥー寺院![]() フランス植民地であった南インドから渡ってきたタミール人によって19世紀末に建立。ホーチミン市内唯一のヒンドゥー教寺院で、女神マリアマンが祀られています。1階の壁にある色鮮やかな装飾などの宗教芸術に目を奪われるでしょう。寺院の一部は線香工場になっています。 ベン・タイン市場![]() ドン・コイ通りの南側にある庶民の台所。生鮮食料品のみならず、日用品や貴金属品、雑貨、衣類などあらゆる品々が売られていて、地元の人々や観光客でにぎわいを見せています。なかには生地を選んで洋服などを作ってもらえるテイラーもあります。市街という好立地にあるので、滞在中はぜひ足を運んでみましょう。自分だけのお気に入りを探したり、みやげ物を選んだりとショッピングを満喫できるはずです。 美術博物館![]() ベトナム芸術が集められた美の殿堂。1階は現代絵画、2階は近代美術、3階は現代美術と工芸品、数々の遺跡から発掘された仏像などが展示されています。絵画などにはベトナム戦争を題材とした作品も多く見られます。フランス統治時代は華人の邸宅だったという洋館自体も見もの。館内には各所にアールヌーヴォー期の装飾が施され、往時の華麗な雰囲気を今に伝えています。 ダイ・ヤック寺![]() 日本では福の神として知られる布袋様を祀る仏教寺院。太鼓腹を突き出し、満面の笑みをたたえた姿は日本の布袋様との共通点を感じさせますが、こちらでは巨大なうえに派手な彩色が施されているのがユニーク。台座からはみ出しそうな迫力ある姿はちょっとかわいらしくもあります。敷地内には、陶器の破片を貼り合わせて造られた五重塔もあります。 ヴィン・ギエム寺![]() ホーチミン最大規模を誇る仏教寺院。ベトナム戦争で犠牲となったベトナム人、さらには第2次世界大戦で戦死した日本人を慰霊するために建てられました。そのため別名「永厳寺」と呼ばれています。境内には日本から贈られた「平和の鐘」があります。 ティエン・ハウ寺![]() 華僑とベトナム華人が開いた中華街「チョロン」にあり、19世紀初めの建立というホーチミン最古の寺院。広東からわたってきた華僑が築いたといわれていて、航海や旅人の安全を守る中国の女神・天后聖母が祀られています。安産や子宝祈願に訪れる女性の姿を多く見かけます。 ギア・アン・ホイク・アン寺商売の神様である関帝を祀るため、19世紀初めに建立されました。今も商売繁盛を願う地元の人で常に賑わい、チョロン地区の活気をリアルに感じることができるスポットです。境内や参道には渦巻き型の線香がつるされていますが、これは自分の名前を記した札とともに寄進すると、燃え尽きたときに願いが成就するといわれる線香です。 ビン・タイ市場![]() チョロン観光の起点となる大規模なマーケット。20世紀初めに華僑の大物であったカク・ダム氏によって建てられました。生鮮食料品や家具、衣料品、日用品、装飾品などさまざまな品々が売られていて、特に中華料理の食材や調味料、香辛料が豊富です。 ホーチミン近郊![]() 旅のヒント![]() ホーチミンを含むベトナム南部には、旅先の候補となる魅力的な場所がいくつも点在しています。日本でも注目を集め始めているビーチリゾートのニャチャンやファンティエット、常春の高原リゾートであるダラットなど、ホーチミンの喧騒とは対照的な寛ぎの旅を楽しむことができるでしょう。起点となるホーチミンからは、国内線または車で移動することになります。 ニャチャン![]() ホーチミンから北東へ300キロメートルほど離れたビーチリゾート。ここ数年で急速にリゾート開発が進展し、ベトナム調の様式を取り入れたおしゃれなリゾートホテルや大型ホテルなどが相次いでオープン。外国人旅行者にとって、ベトナムを代表するビーチリゾートとなりました。とはいえ周辺には伝統的な漁村風景が残されているのも魅力で、ベトナムの素朴な風景も心に響くことでしょう。 ファンティエット![]() ホーチミンから車で3時間ほど。リゾート開発が進み、市街から気軽に行けるビーチリゾートとして日本人旅行者からも注目を集めています。海沿いを走る通りに沿ってホテルやレストラン、みやげ物店が軒を連ねていて、ビーチではウインドサーフィンやシーカヤックなどのマリンスポーツが楽しめます。インターナショナルクラスのゴルフ場もあります。 ダラット![]() ホーチミンからニャチャンへ向かう途中、標高1500メートルほどの高原に広がるダラットは、フランス植民地時代に開かれた避暑地。整然と街路樹が並ぶなかコロニアル風の建物が点在する町並みは、フランスの片田舎を思わせるもの。ここでは、風通しよく設計されたフランス風のヴィラへの滞在がおすすめです。「花の町」と呼ばれるほど、各所で咲く花々が印象に残ります。 クチ![]() ベトナム戦争当時、南ベトナム開放民族戦線の基地があった場所が、クチの中心部から車で10分ほどの場所にあります。最大の見ものは、全長250キロメートルの地下トンネル。内部は暗く腰をかがめなければ通れませんが、中に軍司令官室や作戦会議室などがありました。この場所には博物館があり、ゲリラ戦で用いられた罠や戦車などが展示されています。 タイニン![]() 20世紀初め(諸説があります)にベトナム人によって創設された新興宗教、カオダイ教。天空に出現した「天眼」を至高神とするユニークな宗教で、200万人もの信者を束ねる総本山・カオダイ寺院があるのがタイニンです。奇抜な建物はもちろん、二胡の調べに乗って行われる礼拝は圧巻のひとこと。信者のみならず、多くの観光客が訪れる人気スポットとなっています。礼拝時間に合わせて訪れるツアーに参加するのもおすすめです。 ミトー![]() ベトナムに入ってから9つの支流に分かれ海へと注ぐ東南アジア最長の大河、メコン川。河口部となるメコンデルタ地帯へのゲートシティとなるのがミトーで、川幅約3キロメートルにおよぶ雄大な姿を見ることができます。ミトーでの楽しみは、もちろんメコン川クルーズ。メコン川に浮かぶ島々にわたるツアーが人気で、小舟で支流をクルーズしながら果樹栽培や農業を営む島の人々の暮らしぶりを間近に見ることができます。川で取れる魚や地元産の果物なども楽しんでください。ホーチミンからは車で約2時間。 カントー![]() メコン川の支流カントー川に面した、メコンデルタ地帯の中で最大規模を誇る町です。夜明けとともに野菜や果物などを積んだ小舟が集まり、人々でにぎわう水上マーケットを見ることができます。小舟をチャーターして、水上から買い物を楽しんでみてはいかがでしょう。 ソンベエ![]() ホーチミンから北へ車で1時間ほど進むと、陶器の大規模な工場などが建ち並び始めます。ここがベトナム有数の陶器の産地・ソンベエ。北部のバッチャンとは違って、ここでは普段使いの庶民の食器をメインに作っているのがポイントです。機械化による生産を行う工場が多くなっていますが、絵付けは今なお手作業で行われています。産地ならではのリーズナブルな値段で陶器を買い求めることができるでしょう。 フエ![]() 旅のヒント![]() 10世紀頃から栄え、1802年にグエン朝の首都となったベトナム中部のフエ。ベトナム戦争では激戦の地となりましたが、現在は数々の遺跡が残る世界遺産の町として知られています。フォン川を中心に東側が新市街、西側が旧市街となり、観光の拠点となるのは高級ホテルやレストランが集まる新市街です。移動にはタクシーなどを利用するといいでしょう。時間があれば、郊外に点在する歴代皇帝の廟に足を延ばしてみましょう。夜は宮廷料理も楽しみです。 グエン朝王宮![]() 1802~1945年の143年間・13代にわたって栄えたグエン朝の皇帝の居城。19世紀に建造され、現在はベトナムを代表する歴史的な観光地となっています。見ものは、北京の紫禁城を模して造られ、皇帝の即位式が行われた太和殿や、美しい彫刻を施した午門など。荘厳な建築群に加えて、苔むした石塔やところどころに広がる草地が時の流れや戦禍を感じさせ、栄枯盛衰の趣を漂わせています。午門の楼閣から眺められる王宮の全容も必見です。 フエ王宮美術館![]() グエン朝王宮に隣り合うこの美術館には、皇帝一族が愛用した調度品や日用品を展示。金をあしらった玉座や螺鈿細工が施されたテーブルセット、御輿など、豪華な宝物の数々に眼を見張ります。展示室の中央にある中空の龍の玉は、王家のシンボルです。 トゥア・ティエン・フエ省博物館フエ王宮美術館に隣接する、2棟に分かれた博物館。1966年2月のテト攻勢の際に繰り広げられたフエ攻防戦に関する写真や資料がある建物と、フエ省で発掘された陶器などを展示する棟とがあります。前者はベトナム戦争の悲惨さを今に伝えていて、屋外では米軍のミサイルや戦車、ロシア製の戦闘機なども見ることができます。 クォックホック![]() 短期間ながらホーチミンも通ったという、100年以上の歴史を誇る名門高校。これまでに数多くの優秀な人材を育成してきたことで知られています。開校当初は男子校でしたが、現在は男女共学です。通常の学校生活が行われているため、外観のみ見学することができます。 バオ・クォック寺![]() 新市街のフエ駅にほど近い場所にある、17世紀中頃に創建された仏教寺院。1824年にミン・マン帝により国家的寺院として承認を受け、大規模な改修工事が行われました。学舎が設けられていることもあって現在も多くの僧が修行を積む光景を見ることができ、得度前の前髪を残したかわいらしい修行僧を見かけることもあります。 聖マリア救済教会![]() 新市街の繁華街にあるカトリック教会。最大の見どころは、ヨーロッパの大聖堂様式とベトナムの伝統的な建築様式が融合した、世界的にも珍しい建物です。西洋的なフォルムながら、細部を見ると東洋的な装飾が施されていて、その斬新な意匠に目を奪われるでしょう。 ティエン・ムー寺![]() 新・旧市街から西方へ少し離れた場所にある仏教寺院。1960年代に反政府運動の拠点となったことで知られ、1963年に南ベトナム政府の仏教弾圧に抗議をして焼身自殺を図ったクアン・ドゥック僧はこの寺の僧侶でした。今でも多くの参拝者が訪れています。 トゥ・ドゥック帝廟![]() 釣りと酒と詩を愛する風流な皇帝であったグエン朝4代皇帝、トゥ・ドゥック帝が眠る霊廟。廟は生前に建てられ、別荘として利用されていました。中庭には池が配され、皇帝が釣りを愛したことを示すかのように、畔には釣殿を見ることができます。 カイ・ディン帝廟![]() チャウ山の中腹にあるグエン朝12代皇帝の廟。石段を登った上に、11年の歳月をかけて完成したという拝殿が設けられています。廟の内側の壁には陶磁器やガラスを使った色鮮やかなモザイクで飾られています。 ダナン&ホイアン![]() 旅のヒント![]() チャンパ王国の遺跡が残るダナンと、海のシルクロードの中継都市として栄えたホイアンは、ベトナム中部にある人気の観光地。ハノイやホーチミンと組み合わせたたくさんのツアーが日本からも組まれています。両都市の距離はおよそ30キロメートルなので、ぜひ合わせて訪れたいもの。ダナンの中心部はハン川の西側で、フン・ブーン通りとファン・チュウ・チン通りが交差するあたり。小ぢんまりとした町ホイアンは、徒歩で巡ることができます。 チャム彫刻美術館![]() 2世紀から17世紀に、ベトナム中部から南部にかけて栄えたチャンパ王国。外国との交易によって繁栄した海洋民族が興した王国です。この美術館は、インドネシアの影響を受けたという彫刻の数々を収蔵。出土した10の地域別におよそ300点の作品が展示されていて、なかでもミーソンから出土した作品やチャキュウ室にある「踊るアプサラ」は必見です。 COLUMN ダナンからチャンパ王国の聖地ミーソンへ![]() ホイアンのほど近くにある古都、ミーソン。4世紀後半、チャンパ王国の都はチャキュウに置かれましたが、経済の中心地はホイアン、そして宗教的な聖地はミーソンでした。そのため、ミーソンには王と一体化したというシヴァ神を祀る祀堂が建設され、13世紀まで多くの神殿が建てられました。17世紀に王国が滅亡、さらにベトナム戦争の際は遺跡の多くが爆撃による被害を受けましたが、破壊を免れた神殿の一部が修復されています。こうした遺跡を巡りながら、優れた建築や彫刻を見ることができます。 来遠橋(日本橋)![]() 朱印船貿易が盛んだった時代、ホイアンには日本人町が形成されました。その日本人町と中国人町を結んだ木造の屋根付きの橋がこちら。16世紀末に日本人によって架けられました。橋の両側にはイヌとサルの像があり、橋の上には航海の安全を祈願する小さな寺院があります。ホイアンと日本の交流の歴史を感じさせる、ホイアン観光のハイライトです。 福建会館![]() ホイアンにあるこちらは、中国・福建省からわたってきた華僑が集う場所。色鮮やかな建物が特徴で、内部には祭壇が設けられています。市内にはそのほか、広東会館、海南会館、潮州会館など大陸での出身地別の施設があります。 タンキー・ハウス![]() 200年ほど前に建てられた華僑の家屋。間口が狭く、うなぎの寝床のように奥へ奥へと細長く続く独特の造りで、ホイアン市街には同様の建物が数多く残されています。ユニークな形状もさることながら、精巧な彫刻が施された格子や亀甲形の天井など、優美な装飾も見もの。その多くは現在も華僑家族が暮らしていますが、内部を見学できるものも。お茶を振る舞いながら、一族の歴史や建物の造りなどを解説してくれます。 貿易陶磁博物館![]() ホイアンを中継地に、海のシルクロードを通って運ばれた東洋の陶磁器の数々。この博物館では、ヨーロッパの王侯貴族に愛された古伊万里焼や、東へと渡ったペルシャの器など、東西のさまざまな陶磁器を展示しています。こうした展示物は周囲の遺跡から発掘されたほか、南シナ海の海底に沈んだ貿易船から引き上げられたもの。往時の活発な海上交易の様子とともに、ホイアンの繁栄ぶりをしのぶことができるでしょう。 バナー山![]() ダナン市街から車でおよそ1時間の場所にあるバナー山。この山麓から山頂を結ぶロープウェイが2009年3月にオープン。全長はおよそ5キロメートル、標高差1300メートルほどを所要30分で結ぶ、世界最長のロープウェイとして、ギネスブックに登録されています。所要時間は片道約15~25分。頂上からは無料シャトルバスで24mの巨大仏像が鎮座する「リン・ウン寺」やレストランや会議室、宿泊施設のある「バナー・バイ・ナイトリゾート」へ行くことができます。 グルメ比較的食べやすい東南アジア料理として、日本でも大人気のベトナム料理。東南アジア各国のほか、中国やフランスの影響を受け、東西のさまざまな文化が融合した料理として知られています。最大の特徴は、生野菜と香草を多用すること。辛みが少なく、繊細な味付けは日本人の口にもよく合います。
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 特産品・おみやげアジア雑貨ブームの火付け役ともなったベトナムの雑貨の数々。おしゃれでかわいらしいアイテムの宝庫です。優れたデザイン性に加え、手作りであることと地元の素材を活かした素朴な風合いが人気の理由です。
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