リトル・インディア&アラブ・ストリート

旅のヒント

新旧・洋の東西などさまざまなものが融合するシンガポールにあって、各民族の文化が色濃く残されているのがこの2エリア。その名の通りリトル・インディアはインド人、アラブ・ストリートはアラブ人が多く暮らし、それぞれ異なる食材や日用品を販売する店が軒を連ねています。前者はMRTリトル・インディア駅、後者はMRTブギス駅が起点。両者を徒歩で巡るには少し距離がありますので、タクシーで移動するのがおすすめです。
スリ・スリニバサ・ペルマル寺院
リトル・インディアのシンボルとなっているヒンドゥー教寺院。この地区のメインストリートであるセラングーン通り沿いに、鮮やかな色彩のゴープラム(高門)が目を引きます。毎年1~2月の2日間に催される「タイプーサム」の出発地としても知られるこの寺院。断食で身を清めた信者たちが体に針や鉄串を刺し、カバディ(1人用の御輿)をかついで市街を練り歩くという、ヒンドゥー教の奇祭です。
サカヤ・ムニブッダガヤ(千灯寺院)
高さ15メートルほどという、シンガポール最大の釈迦仏が鎮座する仏教寺院。「千灯寺院」の別名で呼ばれるように、1000個あまりの灯明に照らされた幻想的な姿を見ることができます。仏像下の台座には、仏陀の生涯を描いた仏教画があり、順を追っていくと涅槃仏に辿り着きます。
レオン・サン・シー・テンプル(龍山寺)
サカヤ・ムニブッダガヤと向かい合うように建つ、漢字では「龍山寺」と記される仏教寺院。ここでは、見事な彫刻の数々が見どころとなっています。屋根に施された龍や建物を飾る彫刻は、シンガポール屈指の美しさ。荘厳な雰囲気が漂う内部には観音様が祀られ、信者たちの捧げる無数のロウソクと線香に囲まれています。
サルタン・モスク

アラブ・ストリートに1日5回コーランが響き渡ります。その発信源となっているのがこのモスクで、1828年にラッフルズ卿の支援を受けて建てられたシンガポール最古にして最大規模のモスクとして知られています。現在の建物は1928年に再建されたもので、黄金のドームが目印となっています。信者以外も祈りの光景を見学することができますが、くれぐれも祈りの邪魔をしないこと。また、ショートパンツやタンクトップなど肌を大きく露出した服装では入場できません。
クワン・イン寺院
MRTブギス駅近くのウォータールー通り沿いにある中国系仏教の観音堂。金色の千手観音は幸福をもたらす神として崇められ、線香の煙が立ち込める境内に静かにたたずんでいます。門前にはお供えの花や線香を売る屋台、占い師の露店などが並び、周囲はにぎやかな雰囲気です。
スリ・クリシュナン寺院
クワン・イン寺院に隣り合うように建つヒンドゥー教寺院。異なる宗教の寺院が並び建つのは、いかにも多民族国家シンガポールらしい光景です。ゴープラム(高門)にはシヴァ神やビシュヌ神など、ヒンドゥー教の7大神が横一列に並び、参拝者をやさしく見守っています。内部には牧神クリシュナが祀られています。