ジャカルタ

旅のヒント

1000万人近くの人々が暮らす首都ジャカルタは、インドネシアの政治、経済の中心地。高層ビルの間をスーツに身を包んだビジネスマンが闊歩する近代的な一面を見せる一方、庶民が集うマーケットや食堂なども健在。国内最大規模を誇る大都市ですが、インドネシアの伝統的なライフスタイルを垣間見ることもできるでしょう。おもな見どころは市街中心のムルデカ広場周辺と、オランダ統治時代の歴史的な建造物が残された北部のコタ地区にあります。両エリア間はタクシーで巡ると効率的です。
独立記念塔

市街の中心地に立つ高さ137メートルの塔で、ジャカルタのシンボルともなっているもの。1950年のインドネシア独立を記念して造られました。オベリスクを思わせる白亜の大理石の塔の最上部には純金を使った炎のレリーフがあり、その台座部分には市内を一望できる展望台が設けられています。塔の1階には、ジャワ原人の時代から独立までの歴史をジオラマで紹介する歴史博物館があります。
国立博物館

民俗に関する品々を中心に収蔵するインドネシア最大規模を誇る博物館で、ムルデカ広場の西側にあります。コロニアル調の白亜の洋館建築は、内部も広々。地域ごとに異なる家屋の模型や陶磁器、工芸品、伝統舞踊の仮面や衣装などがゆったりと展示されています。ジャワ原人の頭蓋骨のレプリカもあり、見る者を歴史のロマンに誘うでしょう。
イスティクラル・モスク

国民の9割ほどがイスラム教徒というインドネシア。10万人以上を収容する東南アジア最大規模のモスクが、ジャカルタの国会議事堂や大統領宮殿のほど近くにあります。直径45メートルの白亜のドーム型の建物は、1984年に建てられたもの。荘厳な雰囲気漂う内部は、礼拝の時間を除けば、信者ではなくても一部を見学することができます。なお、見学の際は服装などマナーに注意しましょう。
タマン・イスマイル・マルズキ公園

ジャカルタ南東部の郊外エリアにある120ヘクタールの園内に、プラネタリウムや野外劇場、映画館、博物館などが点在。「TIM」の名で親しまれている広大な総合文化施設で、首都のオアシス的なスポットです。園内中央には大きな池があり、その岸辺ではインドネシア各地から移築された伝統的な家屋を見ることもできます。
ジャカルタ歴史博物館

オランダ統治時代の史料を集めたミュージアムがこちら。当時の武器や調度品、さらにはパジャジャラン朝時代の民具なども数多く展示されていて、ジャカルタの歴史のひと幕を知ることができます。地下には水牢跡も見ることができます。1710年に元バタビア市庁舎を改造した建物は、歴史地区コタのなかでもその優雅さで異彩を放っています。
旧バタビア街

オランダ統治時代には、コタ地区一帯が政治の中心地でした。かつてジャカルタが「バタビア」と呼ばれていたことから、今でも「旧バタビア街」の名で親しまれています。歴史的な建物や当時造られた運河、跳ね橋などが残されていて、往時のにぎわいをしのぶことができます。さらに、運河沿いのスンダ・クラパ港には「ピニシ」と呼ばれる木造帆船が停泊。大航海時代の面影を今に伝えています。
タマン・ミニ・インドネシア・インダー

インドネシアという国の全体像を手軽に知ることができるスポットがここ。園内にはインドネシア群島をかたどった模型が浮かぶ人造湖、27州を紹介するパビリオンなどが点在していて、国全体をミニチュア化したような施設です。国内各地に生息する鮮やかな鳥を飼育する施設も必見です。
パサール・イカン

魚を意味する「イカン」の名の通り、鮮魚を販売するマーケット。とはいえ、魚以外にも野菜や電化製品、洋服や日用雑貨まで売られていて、まさに庶民の市場といった場所。朝早くから人々で混雑し、活気に満ちたジャカルタを感じることができるでしょう。スンダ・クラパ港の対岸にあり、周辺では木造帆船のほか、オランダ統治時代の要塞の塔の一部も見ることができます。
ワヤン博物館

インドネシアの伝統芸能のひとつである影絵人形芝居「ワヤン」。この博物館には、インドネシア各地の影絵道具が集められています。イスラム教もの、キリスト教もの、民話もの、現代政治ものなど、バラエティーに富んだ人形の数々に目を奪われるでしょう。さらに、舞台では影絵人形芝居の1種である「ワヤン・クリッ」や「ワヤン・ゴレッ」の上演も定期的に行われています。