東北地方(イサーン)
旅のヒント

「イサーン」と呼ばれるタイ東北部は、タイのなかでもひときわ素朴な風情が楽しめるエリアです。一帯には緑濃い森林やのどかな田園風景が広がり、歴史や文化面で強い影響を受けたラオスやカンボジアの雰囲気をも感じ取れるでしょう。都市間の移動はおもに長距離バスとなり、都市内や近距離の移動は市バスやトゥクトゥク、ソンテオなど。都市部ではタクシーも走っていますが、バンコクと違ってメーター制は少なく、交渉制となります。
ナコーン・ラチャシマー

イサーンの中心にしてタイ第3の都市です。設備の整ったホテルやイサーン各地への鉄道やバスが発着しているので、東北部へのゲートシティとして活用しましょう。市内は堀で囲まれている旧市街と西側に続く新市街に分かれていて、城壁の門の跡も4カ所残されています。また、クメール文化の出土品が展示されている国立博物館、10世紀に建てられたと伝わる郊外のクメール寺院跡など、かつてこの地を支配したクメール帝国の足跡をたどることができるでしょう。
ピマイ遺跡

タイ国内を代表するクメール遺跡で、11世紀後半にクメール帝国のスールヤバルマン1世の時代に建てられたといわれています。かつては厚い城壁で囲まれていた街全体が遺跡公園として保護されていて、今なお残る北、西、南の壮大な門、各種の像、中央祠堂など多くの見どころが点在しています。建築様式はアンコールワットに共通する部分が多く、規模も同様に壮大なものだったと考えられているなど歴史好きならぜひ訪れたいスポットといえるでしょう。一帯の遺跡から出土した美術品や仏像を展示する国立博物館も必見です。
スリン

これぞタイの田舎町というのどかなスリンですが、年に一度開催される象祭りはタイを代表するイベントとして有名です。これは、スリン近郊に住むクイ族の人々が昔からゾウの調教に秀でていたことにちなんで1960年に始まったもの。11月中旬の2日間、タイ全土から数百頭ものゾウが集い、サッカーや綱引きなど多数のユニークなイベントが開催されます。また、郊外には、パノムルン遺跡やシルクや銀製品、木製家具などを作る村も点在しています。
パノムルン遺跡

ピマイ遺跡、カンボジア国境にあるカオ・プラ・ビーハン遺跡と並ぶタイ屈指のクメール遺跡にして、イサーン地方の代表的な見どころです。スリン郊外にあるので、ここを拠点に観光すると便利でしょう。「パノム」とはクメール語で「丘」の意味で、その名の通り小高い丘の上に建っています。アンコールワット同様に12世紀頃に建造されたといわれ、丘の麓には同じくクメールのムアンタム遺跡も残っています。一帯は遺跡公園に指定されています。