チェンマイ

旅のヒント

タイ北部のゲートシティとして知られるチェンマイ。1894年にチャクリー朝に統合されるまで、タイ北部を600年間にわたって治めたランナータイ王国の首都として栄えた古都です。市街は濠と城壁に囲まれた旧市街と東側の新市街に分かれていて、観光エリアは広大。旅の醍醐味となる寺院巡りだけでも、膨大な時間が必要となります。効率的に巡るなら、エリアごとにしっかりとしたプランニングを心がけましょう。観光地だけに、タクシー、トゥトゥク、ソンテオ、サムロー、レンタサイクルなど移動の足は充実しています。
チェンマイ旧市街

ほぼ正方形を描く濠に囲まれたチェンマイの旧市街。今は人影もまばらなアユタヤなどの旧市街と異なり、こちらは現役の「市街地」としてにぎわっています。メインとなる入口は東側のターペー門。この付近にはレンタサイクルの店なども多く、観光のゲートともなるところです。旧市街最大の見どころは、やはりワット・プラシンとなるでしょう。1345年、5代目の王が父王の遺骨を納めるために建立した仏塔がもとになり、後に寺院となったものです。創建当時の建物は失われていますが、ランナータイ様式を始めさまざまな建築様式が見られる建造物群は北部タイの伝統芸術の極みといわれるもの。プラシン像を祀る礼拝堂には、北部タイの伝統的な生活様式を描いた壁画があり、こちらも必見となっています。
ワット・プラ・タート・ドイ・ステープ

王国の聖地と崇められてきたドイ・ステープ山の山頂に、1383年にクーナ王が建立した寺院。標高1080メートルと見晴らしのいい場所に建つだけに、信者や観光客などいつも多くの人でにぎわっています。ナーク(蛇神)に守られた長い階段が続いていますが、現在はケーブルカーを利用して登頂することも可能です。チェンマイ市街を見守るように建つ高さ22メートルの黄金の仏塔をはじめ、色鮮やかな壁画や金の仏像など、華やかな仏教文化を堪能してください。
ナイトバザール

チェンマイ滞在中、夜の楽しみにぜひ訪れたいのがこの夜市です。営業時間はおおむね18時から23時くらいまで。新市街のチャン・クラン通りにあるナイトバザールビルを中心に数え切れないほどの露店や屋台が軒を連ね、歩くだけでも楽しい雰囲気を感じられます。売られているのは、おもにシルク製品や民芸品、山岳民族の衣装やアクセサリーなど。屋台やフードコートで夕食を取りながら、ゆっくりと回ってみてください。
メーサー・エレファント・キャンプ

チェンマイ北部の町・メーサーにある施設です。タイでは神の使いともいわれるゾウですが、なかでも北部タイの山岳民族であるカレン族は古くからゾウを調教し、ゾウとともに山の暮らしの伝統を守ってきた人々として知られています。ここは、そんな伝統を活かしたトレーニングキャンプで、ゾウによるコミカルなショーは必見です。一番人気のトレッキングは、ゾウの背中に揺られて周辺を30~60分歩くプログラム。勇気を出してチャレンジしてみては?
ボーサン

チェンマイ近郊には、さまざまな少数民族の伝統文化や芸能が今に息づくスポットが多数点在しています。竹と紙を使った手作りの傘作りで知られるボーサンもそのひとつ。街道沿いに並ぶ工房では、骨組み作りから傘張り、彩色まで今も手作りで行う製作工程を見学できるほか、オリジナルの絵を描いてもらって世界にひとつのおみやげを買い求めることが可能です。毎年1月にはボーサン傘祭りが行われることでも有名です。
ドイ・インタノン国立公園

タイ北部では、山岳部の自然を徒歩で巡るトレッキングツアーが人気です。チェンマイからいけるエリアでは、豊かな自然が残るドイ・インタノン国立公園が代表的なスポット。標高2565メートルの最高峰インタノン山を中心にした1005平方キロメートルの公園で、うっそうとした緑と可憐な花々、点在する滝などが訪れる人を歓迎してくれます。園内にはカレン族やモン族の村が点在しています。チェンマイ発のツアーを利用すると便利です。
COLUMN タイ北部の山岳民族を訪ねて

タイ北部の山々には、独自の伝統文化と生活様式を守る少数民族の人々が数多く暮らしていることでも知られています。アカ族、リス族、カレン族、モン族、ラフ族、ヤオ族などが代表的で、それぞれに意匠を凝らした民族衣装や生活環境に合わせた独特の住居、生活習慣を持っています。チェンマイでは、こうした人々の村を訪ねるツアーが多数組まれていて、なかでもトレッキングツアーは欧米人旅行者などにも大変人気があります。また、より素朴な伝統を守る村を訪れたい場合は、近郊のチェンライやメーホーソーンまで行き、そこからツアーに参加するのも一案でしょう。道路事情の関係から、トレッキングツアーに参加するのは乾季(11~1月)がベストシーズンとなります。