観光ガイドブルネイ・ダルサラーム![]() ボルネオ島の一部に三重県ほどの国土を持つブルネイ。石油と天然ガスという豊富な天然資源に恵まれ、世界でも指折りの大富豪といわれる王族が暮らす「リッチな国」として知られています。医療費や教育費は無料、所得税はなく、給与水準も高く、国民は、のんびりと穏やかな笑顔で旅人を明るく迎えてくれます。巨大な水上集落、美しいモスク、独特なブルネイ料理、広大な熱帯雨林など、発見に満ちた旅となるでしょう。 国の概要
![]() 旅の基本情報
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 現地での出入国手続き
国内交通
![]() ![]() ![]() おもな見所バンダルスリブガワン
![]() 旅のヒント![]() ブルネイ湾に注ぐブルネイ川の河口に位置し、国家の中心として発展してきたバンダルスリブガワン。富を象徴するかのように豪奢な造りのモスクを筆頭に、イスラム文化の色濃い首都として旅情を盛り上げてくれます。市内はさほど広くなく、主要な見どころを巡るなら1日もあれば十分。旅の足としては、サークル・ラインとも呼ばれる01番バスが便利です。世界最大ともいわれる水上集落(カンポン・アイール)は必見。ぜひ訪れてみましょう。 オマール・アリ・サイフディン・モスク(オールドモスク)![]() ブルネイを代表するランドマーク。前国王、オマール・アリ・サイフディンが総工費US$500万をかけて建設、1958年に完成しました。イタリアの大理石、ベルギーやアラビアのカーペット、英国製のステンドグラスなど世界各地から集めた最高級の建材やインテリアが惜しみなく使われています。三方を囲むラグーンには、ブルネイの国力が最大となった16世紀の王室の御座船を模した石船が鎮座。ライトアップされた夜は幻想的な雰囲気に包まれます。 ジャミヤシル・ハサニル・ボルキア・モスク(ニューモスク)![]() 第29代スルタンである現ボルキア国王の即位25周年に合わせて、8年の歳月をかけて建設。1994年に完成したモスクです。優美なオールドモスクに対して、こちらは壮大かつ豪奢な雰囲気。サラセン調の大理石造りの建物、純金のドーム、約5000人が一度に礼拝できる巨大な礼拝堂など見る者を圧倒させます。敷地内の塔からの眺めも堪能しましょう。旅行者が入場する場合は無料貸し出しの黒い上着を着用。やや街外れにありますが、サークル・ラインでアクセス可能です。 イスタナ・ヌルル・イマン(王宮)![]() 1984年のブルネイ独立を記念して建造された現国王の住居兼総理府官庁。イスラムとマレー双方の建築様式を融合させた建物で、フィリピン人建築家のデザインとアメリカ企業の施工によって2年がかりで完成しました。20ヘクタールの敷地に1788もの部屋を擁する世界最大の王宮であり、世界最強の名で知られるネパールのグルカ兵による警備などでも注目されます。内部見学は不可ですが、断食明け大祭の3日間のみは一般公開され、王族によるもてなしが受けられます。 ロイヤル・レガリア![]() 王家ゆかりの財宝を保存展示する博物館。現国王の即位25周年を記念して造られたもので、王冠や刀、コーラン、調度品、即位パレードに使われた車といった豪華な品々から、現国王の生い立ちの紹介、写真とビデオによるブルネイ独立までの歴史的な歩みの紹介などさまざまな展示がなされていて、見ごたえも十分です。館時には入口で荷物を預け、靴を脱いで上がるシステム。館内フロアーは厚い絨毯が敷きつめられています。内部はかなり広いので、時間に余裕を持って訪れることをおすすめします。 ブルネイ博物館![]() ブルネイ川のより河口に近いエリアに建つイスラム式建築のミュージアム。歴史と自然、産業がテーマとあって、ブルネイを知るには最適な施設です。館内ではブルネイの伝統的な生活文化、銅や真ちゅう製品、石油や天然ガス産業の紹介に加え、ボルネオ島の動植物の標本も展示。国王が所有するイスラム芸術品や考古学的な発掘品、東南アジア屈指の中国製陶磁器のコレクションなど他ではなかなか見られない収蔵品も多数そろっています。 マレー技術博物館ブルネイの人々の伝統的な暮らしに関する民俗学的資料を中心に展示する博物館。漁業や狩猟で使われてきた伝統的な道具、水上集落のヤシの家、ボートなどの展示を通して、東南アジアの島しょ部に発展したブルネイならではの生活スタイルに触れることができます。また、隣接するハンディクラフト・センターでは、伝統文化の保護・保存も行っていて、機織や金銀銅細工の実演が行われています。 カンポン・アイール(水上集落)![]() 16世紀に訪れた西洋人に「東洋のベニス」と称えられたブルネイ。当時から2万世帯以上が暮らしていたと伝えられているのが、ブルネイ川に造られた世界最大の水上集落です。現在は陸上で生活する人々も増えましたが、今なおバンダルスリブガワンの人口の約3割、およそ3万人が暮らしています。伝統産業である手工芸品のおもな生産地でもあり、人々の暮らしの息吹が感じられるブルネイ観光のハイライトのひとつです。 COLUMN カンポン・アイールを訪ねて![]() 近所なら集落内に張り巡らされた木製の橋を渡って、陸地へは水上タクシーで。カンポン・アイールの暮らしは、豊潤な川の河口部に開けたこの街ならではのもの。水上といっても電気・水道などのライフラインは完備。家の中は広く、集落は大きく(学校や警察署、モスク、消防署などもあります!)、人々の生活は快適そのもの。バルコニーからの投網で小魚やカニを取るなど、伝統的な暮らしぶりも垣間見られるでしょう。アクセスは水上タクシーのみ。対岸の乗り場で時間と料金の交渉をしましょう。船から眺めるだけでも楽しめますが、適当な集落の船着場に船を付けてもらい、木橋を歩いて散策することをおすすめします。 タム(オープン・マーケット)![]() ブルネイ川に注ぐキアンゲ川の川岸に開かれる青空市場。早朝、川から続々と荷揚げされるのは、新鮮な野菜や果物、肉、魚など生鮮食品の数々。買物客のほとんどは地元の人で、まさに現地っ子の台所ともいえるマーケットです。夜間は付近でナイトマーケットも開かれ、手ごろな料金で夕食や軽食をとることもできます。人懐こい笑顔で話しかけてくれる地元の人々との交流を楽しめるスポットといえるでしょう。 ハンディクラフト・センター![]() 中心部の東、ブルネイ川沿いに建つマレー技術博物館の付属施設がハンディクラフト・センターです。ブルネイの伝統工芸品の産業振興を目的に造られた施設で、職業訓練校の学生が作った織物や真ちゅう製品、金銀細工などを展示即売しています。製作工程の実演を見ることもできます。 ヤヤサン・コンプレックス![]() オールドモスクの前に建つ、ブルネイ最大のショッピングセンター。地上4階、地下2階の6フロアには欧米ブランドのショップ、書店、スポーツ用品店などさまざまな店が並んでいます。お腹がすいたら、2階のフードコートへ。ブルネイ料理はもちろん、周辺諸国の料理や日本料理などが気軽に味わえるでしょう。また、地下の食料品売り場も必見。各種スパイスやインスタント食品など、ほかでは見たこともないユニークなおみやげを購入できるでしょう。 エンパイア・ホテル&カントリー・クラブ![]() バンダルスリブガワン郊外の白砂のビーチに建つ、超豪華ホテル。もともとは王族がファミリーや親しい人たちと使う目的で建てられたというだけに、巨大な吹き抜けを備えたロビー、ふんだんに使用されたイタリア製大理石、純金を使った装飾など、一般的なホテルの枠を超えた豪華さ。宿泊費は少々高めですが、一度泊まってみるのもいいでしょう。もちろん、敷地内のレストランやゴルフ場を始めとした各種レジャー施設の利用がてら訪れることも可能です。 ウル・トゥンブロン国立公園旅のヒント![]() バンダルスリブガワンからボートでブルネイ川を下り、ブルネイ湾、南シナ海を経て到着するトゥンブロン県。その奥深くの秘境に広がる国立公園です。公園内の移動はトレッキングやボートなど。いくつかのスポットを巡るなら、バンダルスリブガワン発着の日帰りガイドツアーに申し込むのが一般的でしょう。英語ツアーのほか日本語ツアーもあります。また、公園内に最近ラグジュアリーなリゾートが誕生し、優雅な滞在も楽しめるようになりました。ぜひ注目を。 ウル・トゥンブロン国立公園![]() ブルネイ湾から広大なマングローブ林を抜けて徐々に山地に分け入った先にある、面積5万ヘクタールの自然公園。一帯には空を覆うように低・中・高それぞれの高さの熱帯植物が茂り、海岸からの自然景観の変化もみごとといえます。公園内は傾斜地となっていますが、木製の階段があるので気軽に散策できます。キャノピー・ウォークのほか、沢上りをして到達する滝、最新リゾート、キャンプ場、インフォメーションセンターなどがあります。市内から約1時間。 キャノピー・ウォーク![]() 公園入口から1000段以上の階段を上った先にあるウル・トゥンブロンを代表する自然観察スポット。高さ45メートルほどのところに吊り橋と展望台が設置されていて、ボルネオの緑濃い森を360度、鳥の目の高さから見渡すことができます。かつては世界中の森林生態学者の研究地として、一般公開されていなかったウル・トゥンブロン。そんな独自の生態系が息づく原始の森を一望できる、貴重なビュースポットとして人気を博しています。 ウルウル・リゾート国の管理下にあったシャレーが民間経営となり、リニューアルされたラグジュアリーなリゾート。トゥンブロン川とベラロン川の合流地点付近、国立公園の豊かな大自然に抱かれるように建つ低層のマレー風建築で、川沿いに19のヴィラやスイート、レストランやカフェなどが入るメイン棟がゆったりと配置されています。バンダルスリブガワンからの送迎、ネイチャーガイドによるツアーなどを含んだ宿泊パッケージのほか、現地での各種アクティビティーも用意しています。 その他のエリア旅のヒント![]() バンダルスリブガワンを起点に、ブルネイのその他のエリアに足を伸ばしてみるのもおすすめです。代表的なのが石油産業の街であるセリアやクアラブライト、メリンバン・ヘリテージ公園のあるトゥトン県など。小さな国なので、いずれもバンダルスリブガワンからは車で約1時間ほどで行くことができます。タクシーなどを使うか、現地発着のツアーに申し込んで訪れましょう。 セリア![]() 1929年にブルネイで初めて石油が発掘された記念すべき地。1932年にはブルネイ初の商業用発掘が始まり、現在もセリア全域で石油の採掘、精製が行われています。広大な平地に精製プラントや採掘のためのドンキーが建ち並ぶ風景は産油国ならではのもので、強い印象を残すでしょう。市内では、日曜の午前に青空市を開催。野菜や果物、家畜などがずらりと並ぶ光景に、普段着のブルネイとその活気を感じることができます。 クアラブライト![]() 1960年代から本格的に稼動した、ブルネイ最西端の石油と天然ガスの生産地。ブライト川の河口に開けた町で、沖合にいくつもの油田が点在しています。町自体は小ぢんまりとしていて、観光スポットは日曜午前の青空市やシルバー・ジュビリー公園など。アクティブ派にはブライト川のリバーサファリがおすすめです。ロングボートに乗って、うっそうとした熱帯雨林を探検家気分で進みながら少数民族の村や滝、温泉を巡る数時間のツアーが催行されています。 トゥトンバンダルスリブガワンから50キロメートルほど南西にあるトゥトン県。中心となるトゥトンは人口3万人ほどの小さな町ですが、アセアン・ヘリテージ・パークに登録されているS字型をしたブルネイ最大の湖があることでも知られています。注目は、この地方に住む少数民族イバン族の暮らし。特に伝統的な家「ロングハウス」はぜひ見ておきたいものです。熱帯雨林でのミニトレッキングを含めた1日ツアーがバンダルスリブガワンより催行されています。 COLUMN ブルネイの豊かな自然をツアーで満喫!![]() 国土のおよそ8割に手つかずの大自然が広がるブルネイ。国内には無数のネイチャースポットが点在していて、バンダルスリブガワンからは各種のツアーが催行されています。手軽に楽しめるのが、ブルネイ川などでのリバーサファリ。水上タクシーを利用してマングローブのジャングルを探訪すれば、色鮮やかな植物や鳥、昆虫などとの出会いが楽しめるでしょう。周辺の生息地へ野生のテングザルを見に行くツアーも、比較的短時間で行けるので人気を博しています。変わりどころでは、ブルネイ最北端のムアラ湾からボートで約1時間の無人島へ行くツアーも。南シナ海に浮かぶ小さな島は、まさに手付かずの自然の宝庫。シュノーケリングや釣りなど、自分だけの島時間を楽しんでみてはいかがでしょう。詳細は現地のホテルや観光案内所などのインフォメーションで。確実に予約するなら、出発前にインターネット等で現地の旅行会社に申し込んでおくことも可能です。 グルメマレー系を中心に多種多様な民族が暮らすブルネイは、実はなかなかのグルメ大国。イスラム教国のため飲酒が禁止(国外からの持ち込みは可能)されていることもあり、特に料理技術が発達したとの説も。マレー系、中国系、インド系、タイ系などの料理のほか、ボルネオ島の先住民族の伝統食も注目。レストラン、食堂、市内数カ所にある屋台街などで味の探検を楽しんでみましょう。また、もてなしの席などではお菓子(クエ)が振る舞われることが多く、南国フルーツなどとともにこちらも要チェックです。
![]() 特産品・おみやげブルネイみやげといえば、下記に挙げるような伝統工芸品が代表格となります。竹カゴなどのクラフト製品は、おもに水上集落に住む人々によって受け継がれてきたもの。今も手作りでていねいに生産されています。購入はバンダルスリブガワンのハンディクラフト・センターやショッピングセンターなどで。また、ブルネイの香辛料やインスタント食品は、異国情緒あふれるおみやげとしておすすめです。
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