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イスラムの歴

イスラムの歴

イスラムの歴

2009年9月29日

イスラムの暦(1) 純粋な太陰暦

マレー半島の南からインドネシア全体、フィリピン南部にかけてはイスラム教徒が多い地域ですが、イスラム教徒は宗教行事にはイスラム暦という、西暦とも中国暦とも違う独自の暦(カレンダー)を使っています。

暦の基本にあるのは月の満ち欠け。朔(新月)から次の新月までを1か月と数えます。また、一日のはじまりは朝ではなく、日没から始まります。つまり、夕方日が沈んで月が出る時間は、日中過ごしていた時から見ると「翌日」にあたるわけです。

イスラムの暦も1年は12か月から成っていて、1年は平均354日。私たちが現在使っている西暦は1年が平均365日ですから、イスラムの暦で定められた祝日は、西暦では毎年少しずつずれていきます。

イスラムの暦(2) ラマダン月

イスラムの暦のなかでも「ラマダン」と呼ばれる9ヶ月目の月はイスラム教徒にとってとても大事な1か月です。

「ラマダン」は「断食月」ともいわれ、この期間は日の出から日没まで、食事も飲み物もとりません(病人、妊産婦、旅行者などは例外です)。この時期は日の出前にお祈りを捧げ、簡単な食事をすませます。日中は、厳格な信者になると生唾さえ飲み込まないといいます。断食中、神を意識してよい行いを心がけたり、また普段与えられている環境への感謝や恵まれない境遇にいる人たちに思いをはせたりするといいます。日没後、家族や友達と食事をともにして連帯感が強まる時期ともいわれています。

今年(西暦2009年)のラマダンは8月22日(21日の日没)からはじまっており、9月の20日ごろまで続きます。(「ごろ」というのは、正確には新月の「朔」が観察されないと暦が変わらないという事情があるからです)。

イスラムの暦(3)ラマダン明け

ラマダン中はナイトマーケットといって、日没後から夜遅くまで食べ物を売る屋台が出る地域も多く、活気にあふれた陽気な夜を感じることができます。なつめやしの実など、ラマダンの期間ならではの食べ物も出回ります。

ラマダン明けが近づくとお祝いのためのお菓子や、新調する服の生地、ご馳走の準備などが始まります。そしてラマダン月が明けると親戚、友人、近所の人々などがお互いに家に招待しあってご馳走を食べながら歓談する「オープンハウス」があちらこちらで開催されます。

ASEANのなかでもイスラム教を国教としているブルネイではラマダン明けのお祝いの日「ハリ・ラヤ」に王宮が一般開放され、観光客でも国籍・宗教に関わらず訪問が許されています。

(written by 観光交流部)